景観そのものがアート!三笠の幾春別と幌内をユニークな視点でめぐる旅。
北海道で最初に近代炭鉱として開かれた幌内地区。
規模東洋一といわれた立坑が今も残る幾春別地区。
市街から両地区に至るルート沿いにもアートな景観が多数。
かつての炭都三笠を訪ねる一日旅。レトロでアートなたたずまいが語りかけてくる物語に耳をすませてみよう。
※詳細な地図はこちらをご覧ください。(PDFファイル:381KB)
経路
三笠市役所~市街地 →→ →→ 弥生地区炭住群 →→
→→ 奔別炭鉱立坑櫓 →→ 幾春別にて昼食 →→
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→→ 唐松駅 →→
→→ 伊佐屋ギャラリー →→
→→ ミカサ・モダンアートミュージアム →→
→→ 幌内炭鉱景観公園 →→
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→ 市道 →→ 山﨑ワイナリー
11:00 三笠市役所~市街地
札幌から岩見沢を経由し国道12号から道道116号へ。三笠市街地までは片側2車線の快適ルート。アートな旅の起点は、三笠市役所見学から。建てられたのが1956年というから、もう半世紀以上を経ている。中央から両翼を広げたような外観は、当時としては画期的でモダンだったに違いない。常設の盆踊りやぐらがある中央公園から放射状に伸びる市街地区画もユニークだ。
11:20 弥生地区の炭鉱住宅
道道116号をさらに芦別方面へ。幾春別川沿いの急カーブの右側に現れる住宅群。昭和の面影を残す弥生地区の炭住だが、現役の住宅でもある。1960年代後半に建設されたもので、当時としては超モダン。赤いとんがり屋根、2階建て。煙突の色に注目。1棟に数本の煙突が色違いで並んでいる様がなんとも可愛らしい。
11:30 奔別炭鉱立坑櫓
三笠に来て、住友奔別(ぽんべつ)立坑櫓を素通りにはできない。ドイツの技術を導入して1960(昭和35)年に建てられた。操業時はその規模、東洋一とうたわれた立坑だ。あまりの巨大さに遠くからでもすぐわかる。櫓の正面には「奔別」の二文字。圧倒的な存在感をカメラと記憶にとどめるべし。現在は民間の所有なので、敷地内に立ち入ることはできない。1963(昭和38)年に建設された住友赤平炭鉱立坑は、奔別の改良版で、この2機は“双子の立坑”として知られる。
11:40 幾春別で昼食
時間があったら、もう少し先の「三笠市立博物館」、かつ天気がよかったら「桂沢湖」まで足を延ばしてみるもよし。お昼時なら、ここ幾春別でのランチがおすすめ。隠れカフェやうまいもの処が数軒あり。
13:00 唐松駅
来た道、道道116号を引き返す。弥生の炭住群を過ぎて道道917号へ。すぐに旧幌内線唐松(とうまつ)駅。1987年に駅としての役目を終え、しばらくは荒れ放題だったものの、地元有志により駅周辺の整備、駅舎の修復、記念品の展示、看板のかけ替えが行われ、現役当時の雰囲気に戻った。ひとつの建物に向きの違う2つの腰折れ屋根が合体した、屋根形状が特徴的な駅舎。クロフォード公園に向かうこの通りは高台の道なので、眼下に三笠市街が一望できる。
(※腰折れ屋根とは、切妻屋根の勾配が2段になったもので、傾斜が途中で切り替わる屋根の形のこと)
13:30 伊佐屋ギャラリー
道道917号沿いのクロフォード公園の交差点を左折し、すぐ左手。旧北炭幌内炭鉱の鉱業所長住宅を活用、イサジ・コウ氏の作品を展示するギャラリー。版画・陶芸などの展示作品を鑑賞できる。市民グループ「みかさ・炭鉱の記憶再生塾」のインフォメーションセンター的な拠点ともなっている。
14:30 ミカサ・モダンアートミュージアム
伊佐屋ギャラリー近くの交差点から、道道1129号を行く。1998(平成10)年に閉校した旧幌内中学校を利用。三笠市出身の国際的な芸術家で川俣正氏、同じく三笠市出身の大和屋巌氏(日本水彩画会理事)の作品をはじめ、市外の芸術家が創作した作品を展示。エントランスを入るとすぐにある石炭で創作されたオブジェは、まさに芸術。
15:00 幌内炭鉱景観公園
場の記憶をとどめた独特の景観にこそ、観光の価値があるのではないか。そう納得させられる“公園”だ。当公園は、道道1129号を進んだ幌内川の最上流部にあり、北海道で最初に開鉱した近代炭鉱の記憶を今に伝える希少なエリアでもある。市民グループやボランティアらによって整備された公園では、存在感のある廃墟群とすさまじいまでの自然植生がせめぎあう“アートライブ”が随所で展開されている。元炭鉱マンらによるガイドツアーも開催されている。
16:00 山﨑ワイナリー
アートを堪能した旅のしめくくりには、芸術的なワインを“おみや”にしたい。来た道を戻り、道道1129号から道道116号へ。三笠市幸町交差点で岩見沢方面へ左折。大里口交差点で右折し、道なりに直進するとYAMAZAKI WINERYの看板あり。三笠市役所のあたりから車で5~10分ほど。高速道央道三笠ICのすぐ近くなので、帰りをお急ぎの場合は高速道を利用すると便利。
オプション
幌内を訪れるのなら、ぜひ立ち寄りたいポイント。鉄道ファンならずとも、感嘆。
クロフォード公園
三笠市街から幾春別川を渡ってすぐの、鉄道公園施設。三笠鉄道村の三笠ゾーンにあるクロフォード公園だ。鉄道車両や旧幌内線幌内太駅舎(廃線当時は三笠駅)がある。公園の名前は、北海道開拓史顧問として、幌内鉄道の建設を指導し、北海道にアメリカの鉄道技術を伝えたアメリカ人「ジョセフ・ユリー・クロフォード」にちなむ。
旧幌内線廃線跡
旧幌内線は北海道で初めて、国内でも3番目に開通した歴史ある路線だ。三笠~幌内間2.7kmの線路は、廃線となった現在も残存している。この廃線跡を利用した「三笠トロッコ鉄道」が、夏期間中運行されている。110年もの間時代を牽引し続けてきた幌内線を、今また走ることができる。
三笠鉄道記念館
三笠市街から道道1129号を進むと、三笠鉄道村の幌内ゾーン。ここは、北海道鉄道発祥の地(明治15年、幌内~小樽手宮間が全通)。全国で唯一SLの運転体験ができる施設。SLが動態保存されているほか、さまざまな車両が展示されている。貴重な資料や模型が興味深い。