令和7年度 稲作体験学習会 報告

稲作体験学習会

南部耕地出張所では、毎年近隣の小学校(継立小学校)の稲作体験学習会を通じ、未来を担う子供達の育成を応援すると共に、農業農村の発展に寄与しています。

稲作体験学習の田んぼ(会場)

田植え(令和7年5月19日)

北海道の厳しい冬も終わり、道路脇や山際の雪がすっかり解け、春の息吹を感じられる5月から稲作体験学習会は始まります。
ですが・・・
最近の北海道は暑いのですよね・・・
5月にもなると連日20℃を超える日も出始め、春というよりは初夏を彷彿させるようになりました。
この日も最高気温が20℃あったとかなかったとか・・・
とにもかくにも、美味しいお米を作るために継立小学校の生徒の皆さん、先生、サポートに馳せ参じた南部耕地出張所を含む大勢の大人達の闘いが今年も始まったのです。

集合写真

先ずは田植えの極意を伝授!

田んぼの中は粘性が高く、バランスを崩すと足を取られて転んでしまいます。
稲作体験学習はややもすると野外運動の時間と思われがちですが、実はお米作りを通じて食育を学べる大切な授業なのです。

さて、先ずは何から始めましょう・・・

そう!コロ掛けですね。????
最近は雑巾掛けもあまりしないと聞きますが、ましてや、コロ掛けなんて・・・何それ?と思う方も多いのではないでしょうか・・・・

説明より前に、先ずは南部耕地出張所の若手職員によるコロ掛けをご覧頂きましょう!

コロ掛け写真1

ぬかるむ田んぼに足を入れ、コロと呼ばれる農具を引っ張って行きます。
実はこれ、思っている以上に大変な作業。
余りにも大変なので、右横の2人は精一杯応援しています。
(本当はコロ掛けが曲がらないように後ろから指示をしています・・・)

コロ掛け写真2

ただ、このコロ掛け・・ある程度深く、ゆっくり引いていかないと田んぼに綺麗な目印はつきません。

では、生徒の皆さんはどうでしょうか・・・?

コロ掛け

1人で引くのは大変なので、さすがに2人掛かりですね。

コロ掛け大人

2人でも大変なので、時には大人も含めて3人で・・・

コロについては各地で様々な名称や形状があるようで、ゴロだの田植枠だの、田植定規等々・・・
このホームページを見て、稲作の歴史に興味を持たれた方は少し調べてみるのも面白いかもしれませんよ。

しゃがむ職員

コロ掛けが終われば一斉に田植え作業に入りますが、手前の南部耕地出張所の職員は何をしていると思いますか?

密談?それとも仕事の話?実はミミズだって~♪~オケラだって~♪~アメンボだって~♪~と小さい虫を見つけて喜んでいます・・・

と、言うのは冗談で実は苗をパレットから取り出し、ボウルに入れているのです。

子供達はそのボウルを片手に苗を植えていきます。何度もおかわりされますので、苗を渡す職員ものんびりしていられません。

田植え終盤写真

現在は機械で行なうことが多い田植えですが、稲作体験学習では腰を曲げての手作業となります。
生徒の皆さんは若いのでへっちゃらですが、南部耕地出張所の職員・・・中高年、とりわけ高齢にもなると腰を曲げて行なう田植えは体にこたえます。
翌日の南部耕地出張所では、腰痛の悲鳴と湿布薬の匂いが充満していたとかしなかったとか・・・

田植え終了写真

職員も田植え作業に突入すると、いよいよ苗を渡すパレット班は手が回らなくなってきます。

コロ掛け

コロ掛けの浅い箇所は田植えのラインが読み取りにくく、場合によっては目検討で苗を植えることになってしまいます。
ここは少し曲がってしまったようですね。

洗い場

田植えが終わった後は、足を洗うのも忘れずに・・・
田んぼの中は案外深いので、膝まで泥だらけです。
転んでしまった子はズボンまで泥だらけ。お母さん、ごめんなさい!

集合写真

無事に田植えも終わり、生徒の間で気付いたことや反省点を発表しています。
まさか稲作体験学習は、PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(確認)、ACT(見直し)のPDCAサイクル?
皆さん、田植えお疲れ様でした。
天気にも恵まれ、職員一同充実した一日となりました。

草取り(令和7年7月4日の予定・・が・)※まさかの中止!

稲作体験学習の草取りは、田んぼの中に生えた雑草を除去しつつ、田んぼに生育する生物を捕まえ生態系や進化の過程を学びます。
ですが・・・最近の北海道の天気はどうもおかしい。
北海道の初夏はカラリとした爽やかな日々が特徴だったのに、最近はじめじめとどうも本州の梅雨のような天気が続きます。
この日も朝からどんよりとした天気で、決行か中止か、中止か決行かとヤキモキしていましたが、草取り開始時刻の1時間前から大雨が降り始め、中止になってしまいました。

昨年写真

(写真は令和6年の作業風景です)  

稲刈り(令和7年9月9日)

夏も近づく八十八夜・・・・♪は茶摘みの歌ですが、秋にもなれば春に植えた苗が立派に生育し、たわわに実った稲も刈り取られるのを待つばかり。
そういや、稲刈りの歌なんてあるのだろうかと、ふと疑問に思って調べてみたら・・・

なんと「稲刈り唄」というのがあったのですね。

それならと思って田植えの歌も調べてみたら、昭和17年に文部省唱歌として発表された「田植」という歌があって・・・

そろた~出そろた~さなえが~そろた~植えよう~植えましょう~♪

こんな出だしで歌は始まるようですよ。

漁業の歌は流行歌も含めてたくさんあるのに、農業の歌はないと思っていた私には目から鱗(うろこ)のお話でしたね。

稲刈り前集合写真

さてさて、この日はどよよーんとした天気の中、一同は収穫に臨むのでした。

稲刈り前確認

たわわに実った稲。隣の田んぼは既に刈り取りが終わっています。

稲刈り写真

稲の刈り取りには普段使わない刃物(鎌)を使いますので、安全には最大限の注意を払う必要があります。目指せ、労災ゼロ!

鈍く光る鎌を目の前にすると、子供達の顔にも緊張が走ります。

稲刈り

それでは作業開始です。安全に気をつけて、隣のお友達との距離を1m以上空けましょう。
大人の皆さんは後ろから安全確認して下さいね。

はさ掛け準備

作業は、稲の刈り取り、刈った稲の運搬、刈った稲を縛るという3班体制で行い、10~15分での交代となります。
こちらでは稲を刈り取っています。

稲の運搬

こちらは刈った稲を運搬しています。

稲縛り

こちらでは、運ばれた稲を紐で縛っています。
刈り取られた稲は10束程度にまとめ、根元側で縛ってはさかけすることになります。

はさかけ

縛った稲をはさかけしているところ。
はさかけは稲架掛け、はざかけ、はさ掛け、はぜ掛け等々、地域で呼称や表記が違いますが、刈り取った稲を天日干しにして乾燥させるために行ないます。
これにより、お米の水分量を調節したり、ゆっくり乾燥させることでお米の粒を割れにくくする効果があります。
一説によれば、はさかけすることによりお米の甘みや旨味が増すとかなんとか・・・・

ちなみに、この作業にあたっているのは本職の農家の方ではなく、南部耕地出張所の職員です。

余りにも違和感がなかったので農家の方と思ってしまいました!

はさかけ2

そうです!ワタスが農家のおじさんです!(本当は南部耕地出張所の職員です)

はさかけ3

はさかけは高いところにも掛けますので、大人が中心となって作業にあたります。

はさかけ4

あまりのボリュームに稲を干す場所も無くなってきました。

稲を刈り取り後の田んぼ

はさかけが終わる頃には稲も刈り取られ、田んぼはすっかり丸坊主に・・・

また、来年も美味しいお米をお願いしますね。

炊飯学習(令和7年10月30日)

農林水産省のホームページによると、食育とは様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することが人間を育てることとあります。
また文部科学省のホームページでは、食育で身に付けることとして、・食べ物を大事にする感謝の心・好き嫌いしないで栄養バランスよく食べること・食事のマナーなどの社会性・食事の重要性や心の健康・安全や品質など食品を選択する能力・地域の産物や歴史など食文化の理解などを挙げています。

さて、つらつらと書いてはみたものの、とどのつまりは、せっかく作ったお米ですから地産地消、無駄にせず皆さんで美味しく頂きましょうよ♪というお話です。
でも問題なのは、これも授業の一環ですから南部耕地出張所の大集団でお米を食べに行くわけにはいきません。イナゴの大群の如く、あっという間に子供達の分まで食べ尽くしてしまうに違いありません。大人になると食べる機会が失われる給食だと尚更です。
そこで南部耕地出張所では希望者多数の中から厳選して毎回3名のみを特使として炊飯学習に派遣することとしています。

図書室

皆の努力の結晶が今、炊飯器の中でふっくらとその時が来るのを待っています・・・!

カレー写真

おかわりに行列が出来るほど美味しいカレーライス。
今日の主役は勿論お米なのですが、カレーのルーもフルーツポンチも絶品。
今年参加した特使の3人も美味しかったと口を揃えて絶賛していました。

しめ縄づくり(※諸事情により不参加)

勘の鋭い人はもしかしたら、こんな疑問持っているかもしれません。
はさかけして美味しくなったお米を食べたのは分かった・・・・
でも、あの大量の稲藁はどうしたのだろうか・・・と

そう・・・日本人の何でも無駄にしないという、古来からのもったいないという風習・・・

お米を取られその役目を終えたかに思われる稲藁も、今度はしめ縄として皆さんの家庭に飾られることになるのです。

本来ですと、南部耕地出張所は稲作体験学習の大トリとも言えるしめ縄づくり参加しているのですが、今年度は諸事情により不参加となってしまいました。
楽しみにしていた方、ごめんなさい。
次回、宜しくお願いします。

しめ縄

上の写真は、令和6年に生徒さんが作成したものです。(参考添付)

まとめ

令和7年は雨天中止等いろいろありましたが、怪我なく楽しく継立小学校の稲作体験学習に参加させて貰いました。
残念なことに継立小学校は令和9年度に栗山小学校に統合されるため、令和8年度で廃校が予定されていますが、南部耕地出張所は最後まで稲作体験学習会を応援していきたいと考えています。

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