野菜・花きの営農情報 ≪6月中~7月上旬の技術対策≫

 対象地域:岩見沢市、三笠市、美唄市、月形町
・この技術対策は、空知農業改良普及センター本所が所管する地域(岩見沢市、三笠市、美唄市、月形町)向けに作成されています。
・気象や土壌条件、作業体系などから他地域には適用されませんのでご注意下さい。

全作物共通

① ハウス栽培では気象変動や生育ステージに応じた温度管理、かん水管理を徹底しましょう。特に、日差しの強い場合は、遮光資材などを利用し障害の発生を回避しましょう。
② 外気温や日照の変化に応じたハウスの開閉が必要です。曇天後のわずかな日照でもハウス内温度は、急上昇しますので注意が必要です。
③ ハウス内及びほ場周辺の除草などのほ場衛生管理を徹底し、ハダニ類、アブラムシ類、アザミウマ類などの飛び込みを防止しましょう。
④ 農薬使用基準を守り、薬害や他作物への農薬飛散に注意して防除を実施しましょう。除草剤は使用基準を遵守して下さい。また、重複散布や隣接畑への飛散には十分な注意が必要です。

メロン

温度管理の目安

・最高気温30℃以下、地温18℃以上を目標に管理しましょう。 

表 メロン 温度の目安

・かん水管理

・縦ネット形成期(果実肥大期)に入る作型では、かん水を控えなければならないので、事前にやや多めのかん水を行いベッド内の水むらを解消しておきましょう。
・横ネット形成期は、ネットの発生や肥大を見ながら水分をやや多めにし、横ネットの充実を図ります。

病害虫、生理障害対策

・今後、曇雨天で経過した場合は、菌核病の発生が予想されます。換気を行いハウス内の湿度が高くならないよう調整しましょう。

写真 メロン_菌核病の様子

写真 メロン_菌核病の様子

ミニトマト

温度管理の目安

・夜温が12℃以上を確保できるようであれば、夜間もハウスサイドを開放しましょう。

かん水管理

・かん水はマルチ下の土壌水分を確認し、生育状況に応じて少量多回数で行います。

その他作業など

・果実肥大が盛んな時期です。葉色や生長点をよく観察し、追肥を実施しましょう。
・追肥量の目安は、第3花房開花期以降、各段が開花する毎に窒素成分量1~2kg/10a程度ですが、数回に分けて施しましょう。

病害虫、生理障害対策

・曇雨天が続く場合、灰色かび病が発生しやすくなります。換気と防除に努めましょう。
・アザミウマ類が発生しやすい時期です。発生状況に応じて適期防除を行いましょう。
・高温・乾燥時や着果負担が増加する時期には、生長点付近の黄化や葉先枯れ症状の発生が懸念されます。石灰資材や加里資材等の葉面散布を行いましょう。

写真 ミニトマト_灰色かび病

写真 ミニトマト_灰色かび病

きゅうり

温度管理の目安

・ハウス内の温度は、日中25℃、最低気温15℃以上を目標に管理しましょう。
・ハウス内の湿度の急激な低下、温度の急激な上昇時に、生長点が損傷する恐れがあります。
・急激な換気は避け徐々に換気を行いましょう。

かん水管理

・かん水は、土壌水分と生育状況に応じて行いましょう。

その他作業など

・葉色が淡い場合は、葉面散布を行いましょう。
・摘葉を行います。葉の寿命は展開後30~40日程度です。1株当たりの古葉の葉かきは2日おきに1枚程度にとどめましょう。

病害虫、生理障害対策

・ハウス内が過湿状態の場合は、べと病などが発生しやすく、乾燥状態の場合は、ハダニ類が発生しやすくなりますので、発生状況に留意しましょう。

写真 きゅうり ベと病のようす 

写真 きゅうり_ベと病のようす 

写真 きゅうり ハダニ類による被害葉

写真 きゅうり_ハダニ類による被害葉

かぼちゃ

管理作業について

・整枝後は、つるが畝間をふさぐ前に中耕し、除草に努めましょう。
・中耕の際に追肥も同時に行うと省力化につながります。

病害虫、生理障害対策

・日焼け果の発生防止のため、うどんこ病の初期防除に努めましょう。
・強風等により葉の傷みが見られるほ場は、雑菌の侵入が懸念されるため、発生状況に応じて防除を行いましょう。

写真 かぼちゃ うどんこ病の様子

写真 かぼちゃ うどんこ病の様子

いちご

温度管理の目安

・肥大期~収穫期に入っています。高温管理にならないよう、遮光や循環扇も活用しましょう。
・30℃以上になると生育が抑制されるため、日中の温度管理は、20℃前後を目標にしましょう。

かん水管理

・いちごは乾燥・過湿に弱い作物なので、朝の葉つゆの状況を見ながらかん水を行いましょう。
・収穫期以降はかん水の回数を増やします。

病害虫、生理障害対策

・花びらの落ちが悪いと、そこから灰色かび病の発生につながります。ハウス内のこまめな換気と防除を行いましょう。
・アザミウマ類、ハダニ類が発生しやすい時期です。果実被害を防ぐために発生初期の防除とハウス周辺の雑草除去に努めましょう。

写真 いちご アザミウマ類

写真 いちご アザミウマ類

たまねぎ

・極早生品種は6月下旬頃、早生・中晩生品種は7月上旬頃に球肥大期となります。
・茎葉が傷つくと、各種病害の感染につながります。手取り除草等でほ場に入る際は、葉を傷めないように気をつけましょう。

病害虫、生理障害対策

・白斑葉枯病やべと病のほか、りん片腐敗や軟腐病等の細菌性病害も発生しやすい時期です。気象や過去の発生状況に応じ、予防防除を心がけましょう。
・アザミウマ類やネギハモグリバエの発生を確認しています。乾燥条件が続くと発生密度は急激に高まりやすくなります。ほ場をよく観察し、防除により密度を低く抑えましょう。

写真 たまねぎ_ネギハモグリバエ成虫食痕

写真 たまねぎ_ネギハモグリバエ成虫食痕

写真 たまねぎ アザミウマ類による食痕のようす

写真 たまねぎ アザミウマ類食痕

アスパラガス

かん水管理

・夏芽の収穫が始まると多量のかん水が必要になります。天候を考慮し、土壌水分が不足しないようにかん水量・間隔を決めましょう。

その他作業など

・ハウス栽培では、摘心は、擬葉の展開が終わり、茎が伸びきって硬化した頃に実施しましょう。擬葉の量は100~110㎝確保しましょう。例えば、下枝を50㎝まで切った場合は、摘心位置を150~160㎝とします。側枝の整理は摘心後に実施して下さい。
・露地栽培では、収穫期間は約30日間とし、立茎を開始しましょう。立茎に適した若茎(茎径12~14mm程度)を畦1m当たり12~15本を目安に確保しましょう。

図 アスパラガス 摘心の方法(例)

図 アスパラガス 摘心の方法(例)

病害虫、生理障害対策

・立茎時に多雨になると、茎枯病が発生しやすくなります。また、野良生えは罹病しやすいため抜き取ります。立茎時の防除を徹底しましょう。
・ジュウシホシクビナガハムシ、ツマグロアオカスミカメ、アザミウマ類の発生状況に注意し、防除を実施しましょう。

写真 アスパラガス ツマグロアオカスミカメ

写真 アスパラガス ツマグロアオカスミカメ

写真 アスパラガス ジュウシホシクビナガハムシ

写真 アスパラガス ジュウシホシクビナガハムシ

カーネーション

温度管理の目安

晴天日の日中は、ハウス内が高温となります。ハウスを開放し、30℃を超えないように管理してください。高温が予想される場合は、遮光しましょう。

かん水管理

・生育が旺盛となり、葉先枯れ(チップバーン)が発生しやすい時期です。こまめなかん水を行い、発生を予防しましょう。
・収穫時期間近のかん水は、切り花の水揚げや日持ちを悪くするため、土壌水分を確認し過湿にならないようにしましょう。

その他作業など

・抽台が始まったら、葉色を見て追肥を行いましょう。
・不要なわき芽を整理することで、側枝の伸長と開花が促進されます。
・生育に合わせフラワーネットを上げ、誘引しましょう。

病害虫、生理障害対策

・アザミウマ類とハダニ類は気温の上昇と共に発生が多くなります。葉裏を良く観察し、発生初期の防除に努めましょう。
・葉先枯れ症状が発生した場合には、こまめなかん水を心がけましょう。

写真 カーネーション 葉先枯れ症状(チップバーン)

写真 カーネーション 葉先枯れ症状(チップバーン)

スターチスシヌアータ

温度管理の目安

・30℃以上の高温が続くと生育が停滞します。
・高温により萎れが生じると、抽台茎や花穂の曲がりにつながります。高温時は遮光資材や循環扇を活用しましょう。

かん水管理

・かん水量が多いと軟弱茎となるので、一番花の花穂が色づき始めたら、かん水は控えます。
・一番花の採花が3割程度終了した頃から、二番花の抽台に向けかん水を開始し、追肥を行います。

その他作業など

・草丈20㎝頃からフラワーネットを上げ、茎がはみ出さないように誘引しましょう。また、倒伏防止のためサイドにロープを張りましょう。
・抽台茎がフラワーネットに引っかかり、曲がりの原因となることがあります。定期的に点検、誘引しましょう。

病害虫、生理障害対策

・曇雨天の天候が続き、湿度が高まると灰色かび病の発生が心配されます。換気を十分に行い、予防防除を実施しましょう。
・採花期まで定期的に系統の異なる殺菌剤でローテーション防除をしましょう。
・ハダニ類、アザミウマ類などの発生が増える時期です。ほ場をよく観察して、発生初期の防除に努めましょう。

写真 スターチスシヌアータ_灰色かび病による被害

写真 スターチスシヌアータ_灰色かび病による下葉の被害

暑い日は、こまめな水分、塩分補給で熱中症を予防しましょう

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