きゅうり

英名:Cucumber 学名:Cucumis sativus

病害

べと病

病原菌名:Pseudoperonospora cubensis
症状:多湿条件で発生しやすい。葉脈に囲まれた範囲で発病し、隣接した葉脈に囲まれた範囲に拡大していく。症状が進むと菌が生えて、目のように見えるため褐斑病と間違えやすい。
その他特記事項:褐斑病発生ほ場では、併発することがある。
写真2、4はそれぞれ写真1、3の裏側である。写真5は、写真1の病斑部を拡大したものであり、カビが生えている状況が見える。
写真:松澤 光弘 2004年(写真5枚)

写真1 きゅうり_べと病

写真1 きゅうり_べと病

写真2 きゅうり_べと病

写真2 きゅうり_べと病

写真3 きゅうり_べと病

写真3 きゅうり_べと病

写真4 きゅうり_べと病

写真4 きゅうり_べと病

写真5 きゅうり_べと病

写真5 きゅうり_べと病

灰色かび病

病原菌名:Botrytis cinerea
症状:葉面上に落ちた花弁から感染した。花弁には灰色のカビが生えている。
対策:施設内の換気に努める。発生前から発生初期の薬剤による防除を徹底する。
写真:松澤 光弘 2004年(写真1枚)

写真6 きゅうり_灰色かび病

写真6 きゅうり_灰色かび病

褐斑病

病原菌名:Corynespora cassiicola
症状:発病初期では、黄褐色円形の斑点を生じる。症状が進むと中央が灰褐色で不整形の大型病斑となる。多湿条件になると葉裏の病斑上に黒暗色のカビが生じる。
対策:高温期の多湿条件で発生しやすいので、高温期に入ったら、早期に予防防除を開始する。発病してから効果の高い農薬はほとんど無いため、予防防除が重要である。
その他特記事項:写真9、10は、べと病と併発している。写真12~15は、初期症状の褐斑病で、べと病と類似しているため、間違えやすい。一度発生すると被害茎葉・土壌表面・農業用資材等で生存し、次年度以降も発生しやすい病害である。生育適温は28℃。
写真:田村理子2008年(写真5枚)、越浩一2008年(写真4枚)

きゅうり褐斑病1

写真7 きゅうり_褐斑病

写真8 きゅうり_褐斑病

写真8 きゅうり_褐斑病

写真9 きゅうり_褐斑病べと病併発

写真9 きゅうり_褐斑病べと病併発

写真10 きゅうり_褐斑病べと病併発

写真10 きゅうり_褐斑病べと病併発

写真11 きゅうり_褐斑病

写真11 きゅうり_褐斑病

写真12 きゅうり_褐斑病初期

写真12 きゅうり_褐斑病初期

写真13 きゅうり_褐斑病初期

写真13 きゅうり_褐斑病初期

写真14 きゅうり_褐斑病初期

写真14 きゅうり_褐斑病初期

写真15 きゅうり_褐斑病初期

写真15 きゅうり_褐斑病初期

害虫

アブラムシ類

ワタアブラムシ

英名:Cotton aphid, Melon aphid
症状:新芽や茎、葉裏などに群生する。黒、黄、緑など体色に変化が多く、同じコロニーであってもいくつかの体色の個体が混じっていることが多い。
対策:系統の異なる薬剤でローテーションの薬剤防除
その他特記事項:
多発時:5~6月 9~11月
侵入様式:飛来 株の持ち込み
発生適温:20~25℃
湿潤条件:比較的乾燥
写真:松澤 光弘 2004年(写真3枚)

写真16 きゅうり_ワタアブラムシ

写真16 きゅうり_ワタアブラムシ

写真17 きゅうり_ワタアブラムシ

写真17 きゅうり_ワタアブラムシ

写真18 きゅうり_ワタアブラムシ

写真18 きゅうり_ワタアブラムシ

ニジュウヤホシテントウ(テントウムシダマシと言われることがあります)

テントウムシダマシと言われることがあります。
英名:Twenty-eight-spotted ladybird
学名:Epilachna sparsa orientalis
症状:ナス科の作物を好んで食する。写真19、20はきゅうりに寄生したものであり、入り口に最も近い株であったことから、移動中に立ち寄って食害したものと思われる。
対策:写真19、20のように本来寄生しない作物の場合は、被害も少なく、無視しても問題とならないが、寄生しやすい作物(ばれいしょなど)は、適正な農薬などで防除する必要がある。
写真:志和一也 2009年(写真2枚)

写真19 きゅうり_ニジュウヤホシテントウ

写真19 きゅうり_ニジュウヤホシテントウ

写真20 きゅうり_ニジュウヤホシテントウ

写真20 きゅうり_ニジュウヤホシテントウ

生理障害・その他

石灰欠乏症

症状:生長点付近の葉縁が枯れるため、葉が大きくなると、カップ上またはパラシュート上に、巻き上がる。
対策:土壌pHが低かった場合は、発生が想定されるので、早期からカルシウム資材を葉面散布する。また、根張りが悪い場合にも発生が見られるので、活着がスムーズに行かなかった場合も同様に、発生前から葉面散布する。
その他特記事項:石灰は、作物体内で移動しにくいため、生長点から症状が現れる。
写真:志和一也 2009年(写真2枚)

写真21 きゅうり_石灰欠乏症

写真21 きゅうり_石灰欠乏症

写真22 きゅうり_石灰欠乏症

写真22 きゅうり_石灰欠乏症

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