徳富ダムについて
ダム下流から令和3年9月撮影
ダムの概要
徳富ダムは、徳富川総合開発計画の一環として、石狩川水系徳富川の北海道樺戸郡新十津川町字トップ地先(旧北幌加地先)に多目的ダムとして建設されました。
ダムは、洪水調節、洪水の正常な機能の維持、かんがい用水および水道の供給を目的とする高さ78.40m、総貯水容量36,000,000m3、有効貯水容量33,400,000m3の重力式コンクリートダムです。
地質の概要
ダムサイトの地質は、新第三紀中新世に属する増毛層(凝灰質砂岩~シルト岩)及び鮮新世に属する徳富川溶岩集塊岩層(安山岩熔岩、同質自破砕熔岩)を基盤とし、これらを被覆して第四紀に属する段丘堆積物、現河床堆積物、崖錐堆積物が分布しています。
ダムの地質平面図および地質断面図
昭和48年 | 予備調査開始 |
昭和54年 | 実施計画調査開始 |
昭和62年 | 建設事業採択 |
昭和63年 | 付替道路工着手 |
平成14年 | 本体工発注 |
平成16年 | 堤体打設開始 |
平成20年 | 堤体打設終了 |
平成25年 | 試験湛水 |
平成25年度 | 事業完了 |
流域の概要
昔、石狩川と徳富川の合流点付近は「トックプト」と呼ばれていました。
アイヌ語で「トック(tok)」は「凸起物」、「プト(put)」は「川の入り口」の意味です。
これが徳富の地名の由来とされています。
徳富川は空知管内新十津川町に位置し、暑寒別岳や群別岳など標高1,300~1,500m級の増毛連峰に源を発して南東方向に流れ、新十津川市街地先で石狩川に合流する流域面積313.9km2、流路延長50.8kmの一級河川です。
所在地
樺戸郡新十津川町字トップ
建設目的
徳富ダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、かんがい用水および水道水の供給を目的として建設されました。
1)洪水調節
ダム地点の計画高水流量570m3/sのうち460m3/sを洪水調節し、下流域の洪水を防ぎます。
流量配分図
洪水調節図
容量配分図
2)流水の正常な機能の維持
ダム地点から下流の既得用水の補給や、流水の正常な機能の維持と増進を図ります。
3)農業用水の確保
国営土地改良事業樺戸(二期)地区のうち、水田8,048ha(樺戸地区6,285ha、新雨竜1,763ha)の農地に対して農業用水を補給します。
4)水道用水の確保
西空知広域水道事業の第4次拡張事業計画による、新十津川町、雨竜町、浦臼町に水道用水を補給します。幌加(旧北幌加)地点において、新たに1日最大5,200m3の取水を可能とします。
徳富ダムの諸元
諸元
徳富ダムはコンクリートを材料とし、その重量で水圧をはじめとする諸荷重を支える三角形断面を有する重力式コンクリートダムであり、諸元については下表のとおりです。
位置 | 北海道樺戸郡新十津川町字トップ地先 |
型式 | 重力式コンクリートダム |
堤頂長 | 309m |
堤高 | 78.4m |
集水面積 | 65.3km2 |
湛水面積 | 1.59km2 |
総貯水容量 | 36,000,000m3 |
有効貯水容量 | 33,400,000m3 |
最低水位 | EL271.8m |
常時満水位 | EL306.5m |
サーチャージ水位 | EL313.4m |
設計洪水位 | EL314.9m |