断根、生長点切除による側枝仕立て栽培
トマト・ミニトマトの断根、生長点切除による側枝仕立て栽培
空知農業改良普及センター北空知支所
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<128穴のプラグトレイに播種し、子葉を残して生長点を摘心> |
1.技術の特徴
■ 根を育苗時に1度切断することで、根量が多く生育旺盛となり、トマトで側枝2本、ミニトマトで側枝3~4本仕立てが可能となる。
■ 1株2~4本仕立てにすることで、単位面積当たりの必要苗数を減らすことができ、育苗コストの削減と定植労力が軽減される。
2.コスト削減効果
定植本数
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育苗コスト
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断根苗(2本仕立て) |
1,125株
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66,659円
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慣行苗(1本仕立て) |
2,250株
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133,319円
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<子葉からの側枝が確認できたら断根し水に挿し、発根させる。写真は断根して3日目。> |
定植本数
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苗代
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断根苗(4本仕立て) |
738株
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158,670円
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慣行苗(2本仕立て) |
2,250株
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483,750円
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3.本技術使用上の注意点
■ 育苗期間が慣行栽培より1~2週間程長くなる。
■ 育苗鉢の転倒、肥料切れ防止のため、大玉トマトでは必ず15cmポットを使用する。
■ 着果、果実肥大が進むと株の中央部が裂けることがあるので、適切に誘引する。
■ 不順な天候が続くと、生長点摘心部に灰色かび病が発生することがある。
■ 断根した苗は草勢が強くなる場合があるので、基肥窒素量に注意する。
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<定植直前の2本仕立て苗> |
4.本技術を使用した生産者の声
■ トマトの定植時期(4月下旬~5月中旬)は、耕起等の作業と重なる時期なので、定植作業の省力化は大変ありがたい。
■ 収量的には慣行苗と同等か優っている。
■ 育苗コストが1/2~1/4になる。