夏秋どりいちご高設栽培
低コストでできる 夏秋どりいちご高設栽培
空知農業普及センター本所
1.技術の特徴
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図1 水稲育苗ハウスを利用
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水稲育苗終了後(6月上旬)のハウスに高設ベンチを設置し、いちごを定植する(図1)。高設栽培の場合、水稲育苗後地でも残留農薬等の心配がないことが特徴である。
■ リサイクル資材を利用したベンチの設置
高設ベンチの土台は、過去に水稲育苗ハウスとして使用していた中古パイプ等を再利用し、自らパイプの切断や加工を行い、施設への初期投資を最小限に抑えている。
2.コスト削減効果
ハウス 定植日 |
新規購入
5月下旬 |
水稲育苗
6月上旬 |
粗収入(円) |
3,456,000
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2,880,000
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経営費(円) |
2,739,548
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2,218,748
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農業所得(円) |
716,452
|
661,252
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所得率 |
21%
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23%
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直接費(円) |
1,002,363
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972,363
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間接費(円) |
1,422,185
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1,201,385
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減価償却費(円) |
270,000
|
0
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修理費(円) |
45,000
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備考 | 収量: 2,160kg/10a 単価:1,600円/kg |
収量: 1,800kg/10a 単価:1,600円/kg |
資材を新規に購入した場合に比べて、経営費を約2割近く抑えた(表1)。また、新たなハウス購入の必要がなく、初期投資が少ない。
3.本技術使用上の注意点
■ 高温対策
水稲育苗ハウスなど高さがないハウスを使う場合は、夏期の日照でハウス内の温度が急上昇しやすくなっている。
(1)ハウスサイドの巻き上げ器の位置を高くする。
(2)遮光資材を利用する。
4.本技術を使用した生産者の声
■ 水稲育苗終了後の定植なので収量は低くなるが、新規作物として導入する際、所有の資材で栽培できるため取組みやすい。
■ 水稲育苗ハウスを有効利用できる点が良い。